Environmental Sculpture
ごあいさつ
ギャルリー志門「環境美術計画室」は、パブリックスペースを中心とした「美術のある環境づくり」を目指して20年間、街づくりにおける環境美術制作に取り組んで参りました。21世紀を迎え公共事業のあり方が問われている今、美術が果たす役割や利用価値が見直され、景観に求められる要素も多様化してきました。環境美術は単に作品を造るだけのものではなく、人と自然のバランスを考慮し、また作品の機能とそれを取り巻くさまざまな環境への配慮が必要です。
日々国際化が進む日本にあって、芸術的秩序を伴った街づくりはますます大事な問題となるでしょう。ささやかながら美術に携わらせていただいてきた者として思います。本来、生活の中にあった芸術作品、すなわちルネッサンス期においていえば、ミケランジェロやベルニーニなどの美術家たちが、広場そのものを彫刻したり、噴水、寺院、壁画にいたるまで手がけ、人々の生活の中にいきいきと密着していた芸術の消費を、近代は壁から引きおろし、額の中に閉じ込めてしまった。それもまた純粋な芸術であると思います。
しかし私は多くの美術家たちに、社会空間の中にも広くその才能を役立ててほしいと願うのです。そのために当画廊は都市計画家、建築家、造園家をはじめ画家、彫刻家、工芸家、ランドスケープデザイナーなど関係者各位のご協力を得て、時代の要求に応じた人間性豊かな美しい環境づくりに貢献していきたいと思っております。
このギャルリー志門「環境美術計画室」の志しをご理解たまわり、ご支援いただきますようスタッフ一同、心よりお願い申し上げます。
株式会社ギャルリー志門 代表取締役・深井美子