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【美術評論家/元神奈川県民ホールギャラリー課長・藤嶋俊會 評】 |
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柴田昌一は、版画作家グループ「版17」の創立メンバーである。
「版17」が、横浜や東京での趣向を変えた展覧会のほか積極的に海外交流を行ったのは、従来の版画の複数性に頼ったのではなく、版の表現力を信じたからで
あろう。2000年にはカナダのトロントで、2002年はスロベニアのリュブリアナで、2004年はパリで、さらに2008年はチェコとの交流展として、
神奈川県民ホールギャラリーで巨匠クルハーネクの特別展示終了後、プラハでも同展を開催した。このときの「版17」代表の柴田は同展のパンフレットのなか
で、クルハーネクの強烈な肉体描写に「プラハの触覚と嗅覚」という表現で、版を超えた表現の力を感じとっている。
(柴田昌一版画展2012・カタログより抜粋) |
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