津波が私たち家族の住んでいたあの可愛い海沿いの町を飲み込み押し流してしまった。
3週間後、放射能混じりの北風の吹くその町を訪れた。瓦礫の中を歩き回っていると、自分の作品の欠片を三つ見つけた。それは、自宅のあった場所から
100mほど流され、瓦礫の間に引っかかっていた。手も足も折れてなくなってしまったその作品を拾い上げ、ブロックの穴に差し込み、写真を撮り、再び瓦礫
の中に還した。大小数百体はあったであろう作品達の中から破片になっても生き残ったその作品のタイトルは「Being」だった。
全ての魂は大いなる宇宙にあってたった今も変わらず輝いている。 |