「光」と「闇」の中で造花を撮影した写真を用いて、対象物が存在する空間自体の上下左右、奥行きを曖昧にし、具体性を排除した存在する事実のみを表現する。それは私にとって、ものが存在することの価値観を確認する作業なのである。
井坂健一郎はイ ンスタレーションや写真表現を中心に制作活動を行っています。彼の作品はデジャヴュdéjà vuとでもいうのか記憶の中の風景を見ているようです。それが夢の中で見たものだったか生まれる前に見た風景なのか思い出せない曖昧な感覚を覚えます。作 品の題材となる花はビロードのような瑞々しい薔薇の花ですが、実は造花です。写真というメディアで「光」と「闇」の場を設定することによって、本来、命の ない「造花」に命があるかのような効果を出し「生」と「死」の存在をあらわにします。
【個展】
1991
1992
1993
2000
2002
2009
2010
1987
1988
1989
1990