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所在地
画廊企画/連続個展 —シュタイナーと芸術—
「天の果実」新たな共生の芸術をもとめてvol.5
展覧会名
田辺修展
会 期
2010年10月25日(月)〜10月30日(土)
時 間
11:00 〜 19:00(最終日17:00まで)
会 場
ギャルリー志門 GALERIE SHIMON
東京都中央区銀座6-13-7 新保ビル3F
TEL:03-3541-2511

会場全体
大地 G-1 ミクストメディア
128.4×60cm
大地 G-2 ミクストメディア
113.4×89.5cm
大地 G-3 ミクストメディア
380×160cm 

『人間/芸術/自然』21世紀の芸術をシュタイナーと考える。
 小泉晋弥(茨城大学教授・美術評論家)

 ちょうど百年前、『神秘学概論』で、シュタイナーは人間そのものを道具として、超感覚的な世界を研究すると述べた。「人間は、肉体を鉱物と共有し、エー テル体を植物と共有するが、それと同じ意味で、アストラル体を動物と共有している」。人間は、死ねば物質として鉱物となってしまう。「エーテル体」とは、 生きている間に肉体を崩壊しないように働き掛ける生命体のことであり、「アストラル体」とは、物事を認識する意識体のことであるという。そして人間を動物 と分けるものを「自我」とする。「人間の内なる神は、魂がみずからを『私』と認識するとき、語りはじめる」。シュタイナーの世界観は、私たちの言葉使いで 表せば、鉱物界/植物界/動物界/人間界の中で、肉体/生命/意識/自我が、複雑に結びついた何重ものネットワークということになるだろう。ここまでは 「開示された秘密」だが、さらにシュタイナーは「隠された本性」として霊について説明している。この場では、「宗教や芸術の諸経験は、エーテル体に働きか けて、それを生命霊に変える」という言葉を紹介しておくだけに留めよう。今回の企画に参加した作家たちの作品から、シュタイナーが魂と体の他に人間の中に あるという「霊」を感じ取れるだろう。

 笠原由起子は、植物の劇的な生命の在り様を、植物/鉱物/本(人間)という関係で示している。山田圭一は、人間/鉱物/家具として二十世紀文明の実相を 鉄のスクラップに集約した。秋本康子は、小石の集積に生命を見るシュルレアリズムの方法論を、人間/鉱物のオールオーヴァーの関係として展開している。 佐々順子は、植物/動物/人間の関係の境界を、デジタル技術によってまどろみの中に溶け込ませている。田辺修は、幾重にも張り合わせた紙と故郷の土によっ て、自我/風景というもうひとつの体形式を示している。阿津美知子は、ミクロの現象である絵具の凝固を宇宙論に飛躍させるという肉体/自我/霊のハイス ピードの往復運動に挑戦している。いずれの作家も二十一世紀美術の物質的でありながら超感覚的な特質を備えている点に注目したい。



   田辺 修
1940 山口県生まれ  

1970

武蔵野美術短期大学  卒業
 
個 展  
1977 椿近代画廊 (新宿)  

代官山画廊 (町田)  

T・BOX (銀座)  

多摩信用金庫ギャラリー (国立)  

福岡自動画廊 (福岡)他、山口にて多数開催  

2002

Oギャラリー (銀座)  

2003

Work‘s横浜市民ギャラリー(神奈川)
ギャラリー汲美(銀座)
 

2006

ギャルリーVERGER(古淵)  

2007

CAT展 (相模大野)  

2008

ギャラリー山口  
山口県にて多数個展開催  

受賞・グループ展  
1982 第5回現代の裸婦展 大賞受賞(日動画廊主催)  

2003

Work‘s(横浜市民ギャラリー)  

2007〜2008

CAT展 (相模大野)  

他、グループ展等多数