この度、ポーランドにおける文化庁海外派遣研修の成果発表として、多田洋子氏による個展が「ギャルリー志門」にて開催されますことを心から嬉しく存じます。
多田氏は、都市の持つ今日的共通性の表現を目指し、日本の潮流との比較対象としてポーランドを研究されてきました。そのテーマ「ポーランド美術の歴史的背景と精神的土壌における新潮流」は、ポーランドの複雑な歴史と現代を映し出すものです。
多田氏がポーランドで収められたご成功と友情を礎とし、今後、日本の方々がポーランド美術への関心を育まれ、日本においてポーランド美術が親しまれていく
ことを願ってやみません。傑出した日本人ポーランド学者である小原雅俊先生と、傑出したポーランド人日本学者であり、元駐日ポーランド共和国大使であるヘ
ンリク・リプシツ氏が多田氏のご友人でいらっしゃるのも、かけがえのない事実です。アンジェイ・ワイダ監督が、クラクフ日本美術技術センターを通じ、ポー
ランドにおいて日本美術とその文化を紹介されてきたように、今後、多田氏が日本におかれましてポーランド美術と文化の発信拠点として活躍されることを期待
してやみません。
展覧会のご成功と益々のご活躍を心からお祈り申し上げます。
(ヤドヴィガ・ロドヴィッチ/駐日ポーランド共和国特命全権大使) |