2022年3月28日(月)ー4月2日(土)
「はじまり」
ドローイングの線描が好きで、ずっと人間を描いてきた。目の前の対象を描けずしてどうして心の中を描けるか、心の中とは、意識、なぜ描くか、自分とは何か、そんな思いもあった。「自分が自然の中に存在する命をどう受け止め、どのように形として表出するか」次第に深まっていった。かけがえのない生と死が交差し、自分の中を流れていった。去った命を永遠のものにしたいと願った。目に見えないものを描く事の大切さを教えてくれた師は「何を、なぜ描くか」それを「精神造形」と語った。挑戦だと。描き続けるうちに深淵の底のドローイングが、やがて心臓の鼓動のように連鎖する線になり、命を送り続ける営みのように、線の集積は面に変わった。
今回 182×91 のパネルを8枚連結し、7m30cm の作品を発表します。私にとっての挑戦、はじまりでもあります。
ご高覧の程どうかよろしくお願いいたします。(関水英司/美術家)
会場風景
「宙(そら)にともる 1」 180cm×730cm ミクストメディア・油彩 3,000,000円(税別)
①「宙(そら)にともる 26」 23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)
②「宙(そら)にともる 8」 33×24cm F4 ミクストメディア・油彩 60,000円(税別)
③「宙(そら)にともる 6」 33×33cm S4 ミクストメディア・油彩 80,000円(税別)
④「宙(そら)にともる 35」 18×14cm F0 ミクストメディア・油彩 -
⑤「宙(そら)にともる 5」 40×40cm S6 ミクストメディア・油彩 120,000円(税別)
⑥「宙(そら)にともる 19」 23×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)●売約済み
⑦「宙(そら)にともる 29」 23×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)●売約済み
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⑧「宙(そら)にともる 32」18cm×14cm F0 ミクストメディア・油彩 -
⑨「宙(そら)にともる 11」33cm×24cm F4 ミクストメディア・油彩 60,000円(税別)
⑩「宙(そら)にともる 31」23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)
⑪「宙(そら)にともる 23」23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)●売約済み
⑫「宙(そら)にともる 7」 33cm×33cm S4 ミクストメディア・油彩 80,000円(税別)
⑬「宙(そら)にともる 33」18cm×14cm F0 ミクストメディア・油 -
⑭「宙(そら)にともる 10」33cm×24cm F4 ミクストメディア・油彩 60,000円(税別)
⑮「宙(そら)にともる 18」23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)●売約済み
⑯「宙(そら)にともる 4」 40cm×40cm S6ミクストメディア・油彩 120,000円(税別)
⑰「宙(そら)にともる 22」23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)
⑱「宙(そら)にともる 20」23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)
⑲「宙(そら)にともる 2」 50cm×61cm F12ミクストメディア・油彩 200,000円(税別)
⑳「宙(そら)にともる 30」23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)●売約済み
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㉑「宙(そら)にともる 15」 30cm×21cm ミクストメディア・油彩 55,000円(税別)
㉒「宙(そら)にともる 17」 23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)●売約済み
㉓「宙(そら)にともる 34」 18cm×14cm F0 ミクストメディア・油彩 -
㉔「宙(そら)にともる 25」 23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)
㉕「宙(そら)にともる 12」 33cm×24cm F4 ミクストメディア・油彩 60,000円(税別)
㉖「宙(そら)にともる 9」 33×24cm F4 ミクストメディア・油彩 60,000円(税別)
㉗「宙(そら)にともる 24」 23×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)
㉘「宙(そら)にともる 27」 23×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)
㉙「宙(そら)にともる 13」 33×24cm F4 ミクストメディア・油彩 60,000円(税別)
㉚「宙(そら)にともる 3」 41cm×32cm F6 ミクストメディア・油彩 100,000円(税別)
㉛「宙(そら)にともる 36」27,5cm×22cm ミクストメディア・油彩 40,000円(税別)
㉜「宙(そら)にともる 16」23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)
㉝「宙(そら)にともる 28」23cm×16cm SM ミクストメディア・油彩 30,000円(税別)
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「有滅で在ることの歓喜」
作品を見に、関水のアトリエに行った。完成間近の作品は、前回とまた違った展開が繰り広げられていた。これまでの時空を帰結し出発を秘めた作品に比べて、今回は絵巻のような物語を感じる。つまり始まりと終わりがあるのだ。だからこそ、永遠に辿り着ける。この想いが、有滅を不滅にする。
かつて宮川寅雄は言った。「あるひとりの人を研究するときに、自分との関係性が一番大切なわけです。その人が生きていた社会のなかで、どういう役割をしてきたか、どういう仕事をしてきたかということを研究するのは重要でしょう。しかしそれとともに、その人があったこともない人であり、百年も前の人であり、あるいは千年も前の人であるかもしれないけれども、そういう人と自分との関係というものを意識することが、非常に大切だと思うのです」(「会津八一と私」一九八四年『ヨーロッパとアジアの交錯』和光大学|一九九六年|四二頁)。
疫病以前からの管理体制は、整いつつある。その中で我々は、残酷になってはならない。「天心は、朝鮮や台湾の日本の植民地経営にたいして、胸にいくらかの疼(いた・ルビ)みも感じなかったのである。後年の漱石にすら、それを疼みとする感性を欠除したことを思えば、明治ナショナリズムというものは、恐ろしい性格をもっていたといわなければなるまい」(「アジアは一なりということ」『人物叢書 四〇』付録|吉川弘文館)。
関水の作品から、宮川の忠告が聴こえてくる。我々はそれに、応えるべきであろう。( 宮田徹也|日本近代美術思想史研究)
DM